世界の電子カルテ事情を知ろう!日本とどう違う?
医療の世界で見ないことはないのがカルテ。中でも電子カルテの普及は年々進んでおり、令和5年の時点での日本の病院・診療所における電子カルテの導入率は65.6%(病院)、55.0%(診療所)と言われています[1]。
そんな電子カルテ、世界を見渡すと日本にはない様々な新しい機能があると言われています。本記事では、諸外国の電子カルテ事情をまとめました。
- 電子カルテ自体に関心がある医療従事者の方
- 日々の記録をもっと便利に進めたい看護師の方
アメリカの電子カルテ事情はここがすごい!

アメリカは電子カルテの普及が進んでいて、2024年の時点で全体の95%程度にのぼると言われています[2]。
また、患者さんが自分の診療記録や処方箋を確認できる「患者ポータル」が導入されていることが一般的です。
「患者ポータル」とは?
患者さんが自分の健康や診療に関する情報をオンラインで確認・管理できるシステムで、患者と医療者を繋ぐ重要なツールです。予約の管理・問診票の記入・受付・検査結果や処方薬の一覧・支払いなど、ポータル1つで診療にまつわるあらゆることを患者自身で進めることができます[3]。
患者さんが「患者ポータル」を活用し、自分の情報を積極的に管理することで、医師とのコミュニケーションがより円滑になり、治療への参加意識も高めることができます。診察の前に検査結果を確認して疑問点を明らかにしてから診察を受けるなど、問題解決までの時間短縮や効率化も可能です。

北欧諸国の電子カルテ事情はここがすごい!
デンマークやスウェーデンなどの北欧では、国が主導でデジタル医療システムを整備しています。
デンマークにはSMRという医療情報システムがあり、電子処方箋システムと接続されています。医師が処方箋の発行をできるのはもちろん、薬局・患者・自治体が同じシステムにアクセスして同じ情報を閲覧したり処理できたりするのがポイント。国内の98%で処方箋が電子化されているのが大きな強みで、医療関係者の事務作業を減らすことに繋がっています[4]。
スウェーデンには「1177.se」という仕組みがあり、公的な健康情報ポータルとして機能しています。医療機関の予約や医療情報の閲覧はもちろん、オンライン診療の受診・処方箋の受け取り・症状の登録・証明書の管理まで幅広く網羅されています。利用には電子認証が必要です[5]。
どちらも仕組みの名前や色は少々異なりますが、総じて国民全員の医療情報を一元化して、どの医療機関でも必要なデータにアクセスできる仕組みが整備されています。
このシステムにより、地域医療との連携が進んでおり、どの医療機関でも患者の情報が共有できるメリットがあります。
韓国の電子カルテ事情はここがすごい!
韓国も電子カルテが普及していますが、ポイントはインターネットをフル活用している点です。医師や看護師がリアルタイムでクラウド化された患者さんのデータを確認できる環境が整っています。
韓国は特にデジタル化先進国として、電子カルテの導入率もほぼ100%に達したとのデータがあります[6]。医療のデータ化を活かし、専用アプリとビーコンで院内の道案内と診療案内が完結するようになっています。必要な基本情報は初回の確認で済むような設計で、診療費の支払いや処方箋はアプリ経由で確認できるようなシームレス設計です[7]。
日本と比較すると、デジタルインフラが強く支えとなっており、医療提供の効率が高い点が特徴です。
諸外国の電子カルテには更にこんな特徴が!
1. 使いやすさ重視のインターフェース
アメリカやヨーロッパでは、電子カルテが「シンプルで直感的に操作できる」ことを重視しています。わかりやすい画面設計や簡単な入力操作で、医療スタッフのストレスを軽減。余計な作業が減る分、患者さんとのコミュニケーションに集中できる仕組みです。
2. セキュリティとプライバシー保護が万全
医療データの管理において、個人情報保護の重要性は非常に高く、諸外国では厳格なセキュリティ対策が講じられています。EUでは、一般データ保護規則(GDPR)というルールに基づいてデータの暗号化やアクセス制限が強化され、患者のプライバシー保護が徹底されています。
日本の現状は?課題とこれから
日本では、諸外国と比べて電子カルテの普及が遅れているのが現状です。
理由は簡単ではなく、導入コストの高さや個人情報保護の厳しいルールがハードルになっています。特に、個人情報の保護が厳格に規制されているため、システム構築においても高いセキュリティ基準を満たす必要があり、コストや手間が課題となっています。
また、現場のスタッフが電子カルテを使いこなすための教育やサポート体制も十分とは言えません。

未来の医療をもっと便利に!
日本でも電子カルテがもっと普及すれば、医療従事者の負担が減り、患者さんにも質の高い医療を提供できる環境が整います。海外の事例を参考にしながら、デジタル技術を活用した医療の効率化と質の向上を目指していきたいですね。
看護師業務のIT化は、業務効率向上や負担軽減に寄与する可能性がある一方で、業務特性に適したアプローチが不可欠です。現場のニーズを理解し、適応性の高いシステムを導入することで、業務改善とIT化の両立を図ることが重要です。
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【参考・引用文献】
- https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000938782.pdf
- https://www.cdc.gov/nchs/nehrs/results/index.html
- https://jm-tx.org/houstonmedical/6/
- https://www.jmari.med.or.jp/wp-content/uploads/2024/05/%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%80%80%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%83%85%E5%A0%B1%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E5%85%A8%E6%96%87.pdf
- https://www.dlri.co.jp/report/ld/273527.html
- https://xtech.nikkei.com/dm/article/FEATURE/20140121/328974/
- https://www.phchd.com/jp/medicom/electronic-prescription/column/patient/e-prescription-korea




