看護師のタスクシフトに関する先行研究‐看護の未来を切り拓く鍵‐
近年、医療現場では看護師の業務負担軽減と専門性の発揮を目指した「タスクシフト」が注目されています。
この概念は、医師や看護師などの職種間で業務を移譲・分担することで、医療の質向上と効率化を目指す取り組みです。
本記事では、タスクシフトの重要性を探り、先行研究や具体的な事例を交えながら、その可能性について考察します。
- タスクシフトをと言われつつ何から始めようか悩んでいる看護師の方
- 業務改善委員でタスクシフトと言われてどうしようと思っている看護師の方
- 業務負担をどうにかしたいと思っている看護管理者の方
タスクシフトの背景
タスクシフトの導入は、少子高齢化による医療需要の増加、医師や看護師の働き方改革推進、医療費抑制の必要性など、複数の課題に対応するために進められています。
また、医療現場の人手不足が深刻化する中、業務を分担することで専門性を生かしつつ、効率的に患者ケアを提供することが求められています。
令和3年に出された現行制度の下で実施可能な範囲におけるタスク・シフト/シェアの推進についてに基づき、医療現場のタスクシフトが徐々に進められています[1]。
先行研究と事例から見るタスクシフトの可能性
では、看護師のタスクシフトについて実際どのような先行研究が行われているのか見てみましょう。
日本赤十字社 神戸赤十字病院の事例
神戸赤十字病院では、医師・看護師の業務効率改善委員会を設置し、タスクシフトを推進しました。特に、救急外来における大腿骨頚部骨折患者の待ち時間短縮を目的に、診療前に必要な検査・処置を実施できるプロトコールを作成。この取り組みにより、患者の苦痛を早期に軽減し、医療の質向上に寄与しています。運用開始からわずか3か月で、対象事例の7割に適用されるという成果を上げました[2]。
明石市立市民病院の事例
一方、明石市立市民病院では、2020年に業務負担適正化委員会を発足。これまで医師や看護師が行っていた静脈経路確保や採血などの業務を臨床検査技師に移譲する取り組みを進めています[3]。
これにより、看護師が患者ケアに専念できる環境が整い、結果として医師・看護師双方の業務効率化が実現しました。さらに、研修や教育を充実させることで、医療の安全と質を担保する体制を構築しています。
済生会熊本病院の事例
こちらの病院では、救急外来にて胸痛を訴える患者に対するプロトコルを見直し、医師の指示を受ける前に心電図検査を行うことでその後の指示が迅速に行われる仕組み作りを行いました[4]。
この対応が可能な看護師は看護師のクリニカルラダー(日本看護協会版):レベルⅢ以上及び、トリ アージナース取得看護師とされています。また、プロトコールには運用する際の医師・看護師それぞれの役割を明確にして書き込むことを徹底しています。
こちらの事例から分かるように、タスクシフトの概念が周知されることにより、看護師がより専門性の高い業務に専念することにも繋がります。
浅ノ川総合病院の事例
こちらの病院では、入院支援システム「scree」を導入してタスクシフト・シェアを進めています。膨大な帳票を整理することで入院時記録のボリュームそのものを削減。最大で1/3業務量が削減するインパクトがありました。また、問診自体も減ったことと紙からタブレットになったことで看護師はもちろん、事務職員や患者・家族自身で問診の入力が簡単にできるようになりました。

タスクシフトがもたらす可能性
タスクシフトは、医療現場の効率化だけでなく、結果として患者満足度の向上にも大きく貢献しています。看護師が専門性をより発揮できる環境を作ることで、職業的なやりがいの向上や離職率の低下にもつながる可能性があります。
一方で、タスク移譲が成功するには、他職種との連携や教育体制の整備が不可欠です。例えば、業務移譲のプロセスにおいては以下の点が重要視されます。
業務の明確化
現在の業務内容を可視化し、移譲対象を適切に選定する。
負担の均衡
新たに業務を担う職種が過度な負担を抱えないよう配慮する。
教育と支援の充実
新業務に対応するための研修やマニュアル作成、さらには疑問や問題が生じた際に即座に相談できるサポート体制を整える。
こうした取り組みを通じて、タスクシフトの効果を最大化することが可能です。
まとめ
タスクシフトは、看護師の未来を切り拓く重要な取り組みです。これからも先行研究や事例を活用しながら、現場の実情に即した導入と継続的な改善が求められます。看護師が専門性を生かし、患者ケアにより集中できる環境を整え、医療全体の質をより高めていきましょう。
「私たちの病院でも、業務改善は可能だろうか?」
「まずは何から始めればいいのか、専門家の意見が聞きたい」
そのようにお考えの病院経営者様、看護部長様へ。
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【参考・引用文献】





