看護記録の無駄解消!SOAP記録を簡潔に書くコツと技術は?

「記録に時間がかかりすぎる…」
「また記録で超勤…」

多くの看護師が日々感じているこの課題。これは「記録の文章を書く速度」という単純な問題ではありません。実は、看護記録業務のネックは、その前の段階にある「情報収集」と「情報共有」に潜んでいます。
この記事では、看護記録がなぜこれほどまでに時間がかかるのかを徹底的に分析。SOAP記録の効率化、そして最新の技術活用による抜本的な解決策までを詳しく解説します。
- 看護記録の作成に日々追われていると感じる看護師の方
- SOAP記録の効率化や簡潔な記述方法に課題を感じている方
- 多忙な入院業務における情報収集やアセスメントシート作成の負担を軽減したい方
- 看護業務のDXに関心があり、最新のソリューションを求めている病院・医療機関の管理者の方
- 看護師の離職率低減や患者満足度向上を目指したい方
看護記録が「圧倒的に時間がかかる」理由
多くの看護師の業務時間を分析すると、記録業務の中で最も時間を消費しているのは、以下の2点であることが明らかになっています。
- 患者等からの情報収集:業務時間全体の第4位を占め、特に日勤開始前や夜勤の引き継ぎ前など、業務の立ち上がりや重要な情報整理が求められる時間帯に集中します。急性期や大規模病院ではその傾向が顕著です[1]。
- 看護師間の申し送り:業務時間全体の第5位を占め、電子カルテや紙の書類にまたがる膨大な情報の検索や、「これはどういう意味?」という不完全な記録が原因で長時間化しがちです。
つまり、記録を「書くこと(ライティング)」そのものよりも、記録の元となるデータを集めることや、それを共有するプロセスが、看護師の貴重な時間を大量に消費しているのです。
この「情報収集」と「情報共有」に膨大な時間を費やすことは、患者のベッドサイドを奪うという構造的な矛盾を生み出します。本来、患者ケアに集中すべき時間が、記録業務に費やされてしまうことで、看護師の負担はピークに。医療安全リスクや看護師の離職にもつながりかねません。

SOAPは簡潔に書けない?
看護記録の代表的な形式であるSOAPは、看護師の思考プロセスを構造化し、看護介入の根拠を明確にする上で最も活用されているフレームワークの一つです。
- S (Subjective):患者の主観的な訴えや情報
- O (Objective):看護師が客観的に観察した情報やデータ
- A (Assessment):SとOから導き出される評価
- P (Plan):Aに基づいた具体的な看護計画や介入
しかし、SOAP形式は詳細な情報を網羅しようとすると、記録が冗長になりやすいという課題を抱えています[2]。特に「長期間のプランには適さない」という指摘もあり、経過を追う際の情報収集の時間が伸びていく原因にもなります。
SOAPをかんたんに書くためのテクニック

SOAPの簡素化を実現するためには、個々の看護師の能力に依存するのではなく、仕組みの力で一貫性を確保することが重要です。
AとPの連動性を担保する
評価(A)で看護計画に基づきアセスメントを、計画(P)でその具体的な介入内容を明確に記載しましょう。例えば、
A:痰の貯留により呼吸苦があり、安眠が妨げられている
P:体位ドレナージ
といった、具体的かつ測定可能な行動指針を明記することで、記録が冗長な考察ではなく、明確な行動規範となります。
SとOの構造化
SとOは「情報収集がすべて」のデータです。この情報収集が不完全だったり、構造化されていないと、冗長になるうえ時間もかかり、その後のA(評価)とP(計画)の質が低下します。患者の看護計画に至るキーになる情報を整理して記載しましょう。
記録委員会で看護記録の例文集を作っておき、それを雛形に記録を展開するのも1つの方法です。頻用される看護介入や患者反応の表現を予測変換で登録しておくのも一案です。
テンプレートによる標準化は、全員の認識を統一でき無駄な記述を減らす構造を構築できます。
SOAP以外にも、DAR(Data, Action, Response)やPOS(問題志向型システム)といった記録形式がありますが、どの形式を選択しても、最終的には「情報収集」と「情報共有」の効率が全体の負荷に影響します。
記録時間を抜本的に短縮する技術導入

看護記録の「簡素化」を抜本的に進めるテクノロジーが登場しています。特に「情報収集」と「情報共有」というボトルネックを解消するDXは、看護師の業務の根本的な負担軽減につながります。
音声認識とリアルタイム記録
音声認識技術は、記録の常識を「デスクに戻って行う作業」から「ベッドサイドでのリアルタイムな情報捕捉」へと転換させます。音声入力された情報が文字起こしされることで、看護師の入力負担が軽減され、カルテへの入力のタイムラグを防ぎます。
これにより、SOAPのS(主観的情報)やO(客観的情報)をその場で正確に記録できるようになり、後からの転記や記憶の曖昧さによる記録の質の低下を防ぐことができます。
このようなテクノロジー導入の目的は、単に記録時間を削減するだけではありません。削減された時間をいかに患者ケアの質の向上に繋げるかが重要です。
昨今では看護師不足も問題になっており、今いる人材に可能な限り長く働いていただきたいもの。業務負担が軽減された看護師は、患者への寄り添いや高度な判断に集中できるようになり、定着の促進、医療現場全体の持続可能性を向上させます。

アナムネアプリと電子カルテ連携による効率化
これまで見てきたように、看護記録の効率化を阻む最大の要因は、情報収集と情報共有です。その情報収集と情報共有が一番多いのはいつか?それは「新規入院時」です。
入院時アセスメントシートやスクリーニングシートの作成に要する膨大な時間は、「スクリーニング」のためにベッドサイドに行く時間が奪われるという矛盾を生み出しています。
メディカルギーク株式会社が提供する入院業務支援サービス「scree(スクリー)」は、この最大のボトルネックを解決するために開発されました。screeは、看護師が新規入院患者の情報を収集し、その情報を基に作成する各種帳票を効率的に作成できるサービスです。

screeの主な機能は?
- スマホでの事前入力機能
患者やご家族が、来院前に問診を自宅で入力できます。これにより、看護師の情報収集時間が大幅に削減されます。収集されたデータは構造化されて帳票作成・カルテへの連携もされるため、迅速かつ正確に記録を完成させることができます。 - リピーター入力自動機能
一度退院した患者が再入院した場合、前回の問診データや基礎情報を参照し、自動で入力できます。反復的な情報入力の負荷を完全に排除し、再入院時の記録時間を劇的に短縮します。これは、慢性期疾患の患者が多い施設や、入退院を繰り返す急性期病院において、記録時間の短縮に最も直接的に貢献する要素です。 - 自動帳票作成機能
収集された情報に基づき、アセスメントシートやスクリーニングシートといった必要な帳票を自動的に作成します。看護師は情報の転記や、帳票の作成にかかる時間をぐっと短縮することができます。
screeは単なる電子カルテの補助ツールではなく、統計的に証明された看護業務のボトルネック(情報収集の負荷)を根本的に解消するためのサービスです。

次世代の看護記録システムへの移行ロードマップ
看護記録を簡素化・効率化は、個々の看護師の努力だけに依存するものではありません。SOAP記録のテンプレートなどを活用した「構造的な最適化」と、screeのような最新技術を導入した「技術的抜本改革」の二方向からの戦略で取り組むことが効果的です。
特に、看護記録にかかる時間消費の最大の原因である「新規入院時の情報収集と初期アセスメントの負荷」を自動化するscreeの導入は、看護記録効率化のロードマップにおける最初のステップを効率化することにつながります。
screeは、情報収集の自動化、リピーターのデータ再利用、および自動帳票作成機能を通じて、初期の記録負荷を最小化します。これにより、初期アセスメントの質が向上するだけでなく、その後の経過記録(SOAPなど)がスムーズになります。
結果として、看護師は情報収集や転記作業から解放され、情報共有や申し送りの効率も向上します。 看護師が患者・家族に寄り添うケアを実現するために、メディカルギークの「scree」の導入をぜひご検討ください。
【参考・引用文献】




