業務改善

看護師の業務改善に関する先行研究まとめ|効率化と質の向上のために

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看護師の業務改善は、日本の医療現場における重要な課題です。慢性的な人員不足や長時間労働といった問題は、看護師だけでなく医療従事者全体の負担にも影響を及ぼしています。

本記事では、看護師の業務改善に関する先行研究を紹介し、その中で示されている効果的な取り組みや成功事例について解説します。 

この記事がおすすめな方 
  • 業務改善をテーマに看護研究をしている看護師の方
  • 業務改善を迫られ、何から始めようと悩んでいる方
  • 増える残業をどうにかしたい看護管理の方

業務改善の必要性と課題 

看護師の業務は多岐にわたり、患者ケア以外にも、医療記録の作成や物品管理などの非看護業務が含まれています。これにより、患者に対する直接的なケアに割ける時間が制限されることが問題視されています。 

厚生労働省の調査によれば、日本国内の病院で働く看護師の約70%が「業務負担が重い」と感じており、この負担が離職率の上昇につながっていることが明らかになっています[1]。 

業務改善に向けて行われた調査研究 

業務改善と一言で表しても、様々な取り組み方法があります。 

看護師の中で工夫して行う「業務改善」、業務の移譲をする「タスクシフト/シェア」、近年推進されている「ICT技術の活用」などです。 

効率的な看護業務の推進に向けた実態調査研究では、現在行っている看護師業務の中で移譲できる業務は「患者の環境整備」「日常生活ケア」「機器物品・病棟環境の点検作業」「機器等の管理」「搬送移送業務」「事務作業」などが挙げられています[2]。 

また、ICTへの移譲が可能と考える業務については、「看護記録」「入院時の問診」「他部門への連絡・調整」などが挙げられています。 

一方で、移譲ができない業務については「看護師間の指導(新人や後輩等)」「学生指導」「救命救急処置」「日々の看護実施記録」「医療処置・ケア」などであるという結果がでています。 

このように、看護業務には看護師が担うべき専門性の高い業務と、他職種やICTの活用によって移譲可能な業務が区別されていると言えます。 

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業務改善の導入事例と先行研究 

では実際にどのような業務改善事例と研究が行われているのか見てみましょう。 

看護師の工夫による業務改善 

看護師の夜勤明け超過勤務に対する業務改善の効果では、勤務時に新たに分かりやすいワークシートとスケジュール表を用いることで勤務時間の短縮が実現しています[3]。 

具体的にはワークシートには、これまで余分に記載していた不要な情報を記載しないように周知し、各勤務で起きた事象のみを簡潔に記載することを徹底しています。

スケジュール表の特徴は、これまで曖昧だった各業務について、夜勤と日勤のどちらが担当するかを明確にしている点です。いずれも、新人看護師でも理解できるような表記で作成されているというのもポイントです。 

これらの取り組みにより、業務の効率化だけでなく、夜勤明けの看護師の負担感軽減や離職率の抑制にもつながる成果が報告されています。 

タスクシフト・シェア 

病棟における看護補助者への業務移管による看護師業務負担軽減への試みでは、「カルテ入力」「ナースコールの初回対応」「電話応対」「患者の 案内」「入退院の準備」の5項目について看護補助者にタスクシフトをするという研究行っています[4]。 

その結果、カルテ入力では67%ナースコールの初回対応や電話対応は83%予定の入退院及び緊急入退院の必要書類準備や検査・外来等への移送や案内では100%のスタッフが、業務負担が軽減していると回答しています。 

この研究は、看護補助者へのタスクシフトが看護師の負担軽減に大きく寄与する可能性を示しており、今後の医療現場での業務改善に向けた有効な取り組みの一つといえます。 

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ICT技術の活用 

ICTを用いた看護実践に関する検討では、スマートフォンなどのツールを用いて診察の必要性や緊急性の判断を行うことの有効性を検証しています[5]。 

具体的には、患者やその家族の相談対応、患者の主訴の把握、訪問看護師や地域からの情報収集に活用されています。

また、スマートフォンで撮影した画像や動画による患者と医療職間での情報共有や、 血糖値等のモニタリングアプリによる身体情報の把握などにも役立てられています。 

電話、スマートフォンのアプリやSNSで、実際にICTを取り入れたことで、医療介入の必要性を判断する材料となり、患者や家族の療養管理能力の向上促進にもなっているという結果が報告されています。 

業務改善の未来に向けて 

これまで紹介した先行研究や事例は、看護師の業務改善がさまざまな手法で進められていることを示しています。しかし、これらの取り組みをさらに効果的に進めるためには、現場の声を反映させた柔軟なアプローチと、医療現場全体の協力が必要です。 

今後は、タスクシフトやICT活用を進めるための具体的な指針や教育体制の整備、さらなる技術革新が求められるでしょう。

看護師が本来の役割である患者ケアに専念できる環境を整えることは、患者の満足度や医療の質を向上させるためにも不可欠です。 

看護師の働き方を変える

看護師の業務改善は、慢性的な人員不足や長時間労働といった医療現場の課題を解消するために欠かせない取り組みです。 

時には勇気がいることですが、これまで当たり前だった部署での「慣習」などを一度整理し、できるだけ業務をシンプルに分かりやすく変えていく意識を持つことも大切です。

看護師がより働きやすい環境になるよう、業務改善と向き合っていきましょう。 


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【参考・引用文献】

  1. https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001118192.pdf
  2. https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/181031/201806011A_upload/201806011A0003.pdf
  3. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshowaunivsoc/81/3/81_283/_pdf/-char/ja
  4. https://www.keiju.co.jp/manage/files/iryo/magazine_2012_02/2012_01_03yatabe.pdf
  5. https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202122029A-buntan3_0.pdf
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